November 27, 2011

私の好きな場所

 とある大きな建設工事現場がある。そこはエリアが広くて、業務用無線も端から端までは飛ばない。当然警備員の配置パターンは多岐にわたり、無数の場所が存在する。

 その中で、最近ではあまり使われていないポジションに、班長の采配で送り込まれた。

 不思議なもので、帰ってきた、という感じがした。

 このポジションで誘導をするのは今の元請けさんで3社目。ここに立ったことが多いというのもあるけど、この現場は音ですべてを察知できる。そこが好きなのかもしれない。

 はい、車両音探知左方向、これは乗用車クラス。ブラインドコーナーで見通しがきかないから何が来るかはわからない。さて何が来る……インサイト、ライトバン、これはうちのかもしれない。車番が見える位置まで来い……はい、ナンバーxx、元請けの所長さんだ。
「おー、久しぶりだねえ」
わざわざ車を止めて声をかけてくれた。
「ご無沙汰です。(所長も知ってるとある現場)に行ってました。ここを上がったところに少し水が出てますので、お守りに塩カルがあるといいかと思います」
「ああそうだねえ。……もう凍る?」
「もう……そろそろです」
「マジでー!?」
記憶に基づいて可能な限り忠実に会話を再現している。いやホントに。所長さんはとっても気さくで話して楽しいし、報告もしやすい。たぶん仕事も凄くできる。ああいうかっこいいおじさんになりたいんだ、私は。

 近くにお寺がある。そこの奥さんとは挨拶を交わすくらいの間柄だったんだけど、今年の夏にちょっと仲良くなった。ある日、ものすごい勢いの土砂降りの雷雨があった。落雷の光と音が同時。至近距離でガンガン落雷していた。私は近くのボックスカルバートに避難していたんだけど、やはり荒天suspended。

 翌朝もその場所に立ったんだけど、お寺の奥さんがわざわざ来て声をかけてくれた。昨日大丈夫だった? ああいうときはお互い様だから、お寺に逃げてくれていいんだよ。うちは外に土足で使えるトイレも作ってあるから、使ってくれていいよ。と。

 それ以来、お寺の奥さんは犬の散歩のついでに私の方に来てくれて、時折雑談するようになった。いろんな話を聞いた。実は私が「帰ってきた」日の朝にも来てくれた。近くに車を置いてるから遠目でも知ってる警備員かどうかわかるんだよね。

 ここ、やっぱり好きだなあ。また来たい。だいぶ先になりそうだけど。


Posted by Nemo at 22:16 | guard | コメント (0)

November 22, 2011

一般車優先ができない同業他社

 先日の現場はうちのクライアントがやってる工事と他社の工事がすぐお隣になってしまった。警備会社は別。

 G警備っていう嫌われ者の黒いやつみたいな名前の警備会社なんだけど、ひどい。こっちの片交のタイミングが読めなくてとんでもないタイミングで脇道から車出しやがる。

 一番ひどかったことが二つもあって、一つは、こちらが片交している場面。反対側に路線バスが見えたので、即座にこちら側の車両を停止。ノンストップで路線バス通すぜ。路線バスってのは時間で走ってるから可能な限り止めないのが常識。そこでGが割り込んで何したと思う? バス止めて工事車両出しやがった。

 一般車優先が原則。工事車両は一番最後。例外は、交通量が多すぎてどうにもならない時。こういう場合はやむを得ず一般車を止めて工事車両を出す。……これ、うちの社のまともな警備員は全員やってるよ。

 もう一つ。規制をかけている私の側の離れた枝道から、向こうの工事で使ったでかい振動ローラーが出てきて、見たら後ろに警備員がいない。は? 重機の回送で道路上を走る時はケツ持つのが当たり前だろ。接近したので、あきれながら振動ローラーを止める。で、対向車を全部通した。間隔を置いてばんばんこっちに送らせたけど、ローラーの作業員は怒らないよ。知ってるから。んで振動ローラーを送る。ケツの一般車を抜いて送ってもよかったんだけどいなかったから仕方がない。その後に一般車がきたのでローラーのケツにつけて送る。でね、見てたら笑えたよ。Gのボンクラ、こっちの枝に入るのか? ってゼスチャーしてんの。この時間なら撤収に決まってるだろこの……ド素人が!!

 ひどいというか損したのは、朝相棒と合流して準備してたら、12トンクラスの回送車にタイヤローラーが乗ってきたのよ。とっさに素手で全止めかけて、ヘルメットもなしで、バック誘導。回送車が切り返ししながら何とかバックで枝に入って、全止め解除。ちょうど作業員がきたので挨拶した。
「えっ、うちGさんに頼んであるよ?」
くっそ、この時点でGがいないあたり、レベルが知れてると気づくべきだった。

「よその会社は一般車止めて工事車両出すからねー」
同僚が苦笑いしながら話すのを聞いたことがある。本当だった。

 このへんの中小の警備会社は警備業法で定められてる新任教育もろくにしないらしいからね。そこからうちの会社に来たへたくそにも当たったし。そういう意味ではうちの会社は多少は当たりだった。

 もうG警備見たら敵性体と見なそうかな。今回は相棒がうまいからどうにかなったのは助かったけど。

Posted by Nemo at 20:41 | guard | コメント (0)

November 21, 2011

仕切りたがり警備員

 採用1ヶ月ちょっとの新人がいる。私はこいつの指導は一切しないことに決めた。

 どんな仕事であれ、転職すればゼロスタート。前職が社長でも知ったことじゃない。これ警備員に限らないと思うんだけどなあ。

 その新人は我が強すぎてダメ。1回だけやり方教えたけどまるでできないからもう知らない。

 で、なんだか知らないけどやたら仕切る。当然ずぶの素人だから的確な仕切りなんてできるわけがない。

 守秘義務があるから詳しくは書けないのだが、先日がひどかった。昼休憩を3人で30分ずつ回すということで相談して決めたのだが、私が警備に当たっている時にそいつがこっちに歩いてきてこっち来いとジェスチャーするのだ。なんだようるせーなと思いつつ行ってみたら、
「昼休憩入ったらどうですか?」
ときたよ。お前休憩30分で回すって言っただろ? 俺がクライアントと相談して決めたの。何でお前が仕切ってるの。というわけで一言だけ返した。
「私クレーン見てるんで」
「クレーンないじゃないですか」
バカかお前。今まさにクレーン解体中で作業してるから俺がついてるんだよ。

 クレーンと言ってもちょっと特殊なやつでね。組み立てに4時間はかかる。工事用とは違って、さらに違う意味でかなり高価なのはおそらく間違いない。解体にも3時間の見込みってことでついてくれと言われていたから警備していたわけ。

 このポジションは重要。そう囁くのよ、私のゴーストが。

 ……そしたら予想通り、作業の途中で業者さんが昼休憩でいなくなっちゃった。機材置きっぱなし。ここ、警備員いなかったら大変だよ? ねえ仕切りたがりの素人さんどうするの? ねえどうするの?

 このダメな新人はどうしようもないので生暖かく見守るとするよ。

Posted by Nemo at 21:13 | guard | コメント (0)

November 20, 2011

できる新人は見てればわかる

 私はできると思った新人にしか指導しない。交通誘導警備業務をしているとどうしようもない隊員が多いから。片交がまともにできないようだったらぶちのめしに行くけどね。こんなんでも Qualified Guard (資格ある警備員)です。

 そんなこんなで前回の続き。
誘導灯の振り方でうまいか下手かはわかる@駐車場誘導 : あまえびのしっぽ

 同業他社と合同で駐車場誘導をしたことがある。こちらは2名。あちらは20名くらい。でかいところは違うよね。あちらの警備会社の上の人が来て、朝礼で言ってた。
「皆さんには私の指揮系統で動いてもらいます。でないと法律違反になりますからね」
労働派遣法4条だ。警備業は請負業務であって派遣業務ではないので、自社の指揮系統で動かねばならない。クライアントの指揮系統に入ってしまうと派遣業務になってしまう。これはNG。

 その現場では、他の営業所から来ていた3名プラスアルファとチームを組んだ。一人はずぶずぶの新人。朝の早い段階で、班長が「右向けー右」とか基本教練を復習させてたくらいだから。そしてガチ若い。

 この新人さんね、私の誘導のやり方盗んだよ。私の立ち位置、彼の後ろ。

 私は君がほしい!

 正直思った。彼は、駐車場の空き状況を無線で報告しながら、誘導して、車両の進行方向を確認していて、私の動きも見て、あのやり方うまくいくなと思って技を盗んでいった。ああいう人材が我が社にもほしい。

 そう思って何ヶ月後だろうか。来たよ。できる新人。

 基本を教えれば、自分で応用する。私が別のポジションで誘導していればそのやり方を盗んで勉強していく。楽だよ。気がついたところを1つ2つ指摘すればいいだけだから。

 叩き上げようと思ってた彼だけど、何もしなくても育った。今では見事に主戦力。ちょっとおぼつかないところもあるけど、管制にも人が足りなかったら彼を入れてくれと言ってある。

 使える人材もっとこないかなー。

Posted by Nemo at 21:49 | guard

November 19, 2011

誘導灯の振り方でうまいか下手かはわかる@駐車場誘導

 だいたい見ただけで上中下はわかる。

 余談だけど、無線の片交でも
「車両接近で送ります」
「了解」
ってやりとりを双方で1回ずつやれば、まともに無線片交ができる人か辛うじてできる人かがわかる。

 下が一番わかりやすくて一番厄介。その日1日我慢すればどうにかなる下と、会社に報告する必要があるほどひどい下の中がある。下の下? その場で会社に電話して交代よこせって言う。

 私が所属する会社はちょっとした規模のアトラクション施設の駐車場誘導も行っている。ここは早番遅番夜勤のシフト制になっていて、その日私は早番。警備員は施設全体に配置されるのだが、私はもっぱら駐車場。駐車場というのは大型バスエリアと一般車用駐車エリアがあって、その日は困ったことに駐車場担当の早番が1名。駐車場出入りの誘導からカラーコーンを並べたり、観光バスを呼び込んでバック誘導、バスが出る時は一般車を止めて出すところまでやらなくてはいけない。私はマルチロールファイターで駐車場は全部できるから、管制が投げ込んだ模様。

 私が一人で担当した時間帯は観光バス7台と一般車がぼちぼち。観光バスが入る予定時刻になるとクライアントの営業担当が出てきてバス待ちするし、バスが出る時間を運転手に聞き込みして頭に入れる。するってーと、私の休憩時間ほとんどないのね。

 遅番が出勤してきてようやくまともな休憩が取れたんだけど、大変なのはここからだった。遅番は駐車場には4名。ずぶずぶの新人が1名、ちょっとはできそうで鍛えてる新人が1名、去年から顔は見てるけど下手そうなのが1名、そして駐車場の守護神が1名。

 ……えーとね、観光バスが30台くらい押し寄せてくるんだわ。

 私が無線なしでやってる間にも5台以上。

 遅番組の休憩を一人ずつ回してる間に気がついて、守護神に相談。
「あの人(下手そうなの)、ここ(バス誘導)できます?」
「できねえ」
やっぱりかよ。当たってもうれしくないよ。じゃあ守護神が休憩入らないとダメじゃん。
「私もうすぐ上がっちゃいますよ!」
「んじゃ悪いけど頼む」
というわけで守護神とポジション交代。無線機を預かる。

「守護神、観光バス1台入ります」
「バス1台了解です」
早速きた。
「あ、ネモ君かな」
「はいネモですよろしくお願いします」
「ネモ君定時で」
「定時も了解です」
ほらほらあっぶねー。

 無線が入ると駐車場誘導位置からバス誘導位置へ移動する。昼間は一般車も少なかったし無線がないので目視でバスを察知できる位置で誘導していた。遅番のピークは無線が頼り。

 バスを待ち構えていたらさらに無線が入る。
「これ観光バスかな」
「この時間だとたぶん観光バスですね」
入場側の無線交信。程なくしてこちらに来る。
「ネモ君、観光バスもう1台入ります」
「もう1台了解です」
そんな調子でてんやわんや。でもミスなくそつなくこなす。それが警備員としての私のジャスティス。バック誘導が完了したら運転手さんへの挨拶も忘れない。お互いプロだからね。

 時計を見てる暇もなかったけど、守護神が休憩から上がってきたら定時だった。バスがさらに1台入ってるのを引き継ぎして私は終了。

 守護神の休憩回せてよかったよホント。

 話は変わって、同業他社と合同で駐車場誘導を行ったこともある。向こうは比較的大手で、……あ、続きにしていい? 確約はしないけどできる新人の見分け方につづくかもしれない。

Posted by Nemo at 21:05 | guard

November 17, 2011

バカな業者につきあって命を落とす義理はない

 先日、会社に行って夜光チョッキを買ってきた。電池が入っててぴかぴか光るやつ。いくらでもいい、よこせって言って。会社が持ってくれるから自己負担は思ったほど高くなかったけど。

 というのは、前日の現場があまりにもひどかったからだ。

 今の時期は午後4時で暗くなる。普通、この段階で段取りを見極めて撤収の準備に入る。ところがだ。作業最終日ということもあって、残業になった。終わったのは5時半。真っ暗だよ。真っ暗な中を誘導灯一本で誘導できるか。轢かれるよ。

 この業者がひどい。規制帯が単管バリケードのみ。カラーコーンは1本しかない。さらにひどい話。この現場は検定合格警備員が必要なので交通2級持ちが必要ってことで呼ばれたんだけど、前に入ったやつが業者に注文つけてない。私なら言うよ。
「矢印板を用意してください。それとカラーコーンとコーンバー。なければカラーコーン多めでもかまいません。現状の単バリですと規制をかける導流帯の部分が見えにくくて危険です」
交通誘導警備業務検定2級ってのは合格率50%くらいなんだけど、難しくはない。逆に言うと、バカが資格持って天狗になってたりする。

 そんなこんなで、私は規制帯の前に立って誘導した。接近車両の前面に出るという危険な行為。そうしないと事故起こるから。ちなみに、教本にはやったらダメですよと書かれている。知らぬ。我々は安全を売る仕事だ。

 で、死ぬ思いをしたので、業務終了報告を会社に入れるついでに夜光チョッキよこせ! よこせ! と連絡を入れて、相談しておきますとの返答を得た。その翌日、会社に直撃して夜光チョッキを確保できたわけで。

 この冬は自前の夜光チョッキに充電池を組み合わせて、輝く警備員になる!

Posted by Nemo at 02:53 | guard

November 04, 2011

常に逃げる場所を作りなさい

 交通誘導に当たる警備員はこれを第一に考えていい。

 自分の身を守ることを忘れてはいけない。もっといえば危険予知という話につながる。

 たとえば、最もオーソドックスな片交をしている場面。

 誘導している車両は自分に突っ込んでくるかもしれない。この感覚は大事。通常、停止の合図を出しても止まらない車はいる。勝手に突破する分には突破する車両の責任だからいいけど、停止合図を出した位置から数メートル先で止まるなんて車も存在する。これはぼやっとしてると簡単に轢かれる。私は停止合図を出しながら後ずさりした。この車は怪しいと思ったら目を離さないこと。停止合図を出すときは運転手をよく見ること。基本中の基本だけれど、これができていない警備員は多い。私も新人の頃は
「車が止まるまでしっかり見ろ!」
と先輩に檄を飛ばされた。そんなバカなと当時は思ったのだが、これは間違いなかったと今の経験値では言える。車と運転手を見ろ。

 立ち位置も大事。逃げ場がないガードレール沿いは神経がすり減る。ガードレールってのは突っ込んだら大変なところに設置されてるから、こっちが慌ててガードレールを乗り越えてもそっちが崖下ってことが往々にしてあるから。できれば勘弁してほしい。

 車が突っ込んできても逃げられる場所を確保すること。警備員は忘れてはいけない。

Posted by Nemo at 21:09 | guard